
4回の抗がん剤治療が終わり、次に始まったのが放射線治療でした。
私の場合、放射線治療は平日の毎日、全部で25回。
「放射線を当てるって痛くないの?」
「副作用はあるの?」
「毎日通うって、仕事はどうするの?」
これから放射線治療を受ける人は、いろいろなことが不安になると思います。
実際に受けてみると、私の場合、治療そのものは数分で終わり、痛みもありませんでした。
それよりも大変だったのが、25回、毎日病院へ通うこと。そして仕事との両立でした。
8年以上前のことなので細かな記憶は曖昧になっていますが、今でも覚えていることを中心に、私の放射線治療について書いてみようと思います。
① 放射線治療は平日毎日、全部で25回
私の放射線治療は、平日に毎日通院して、全部で25回でした。
月・火・水・木・金。
そして、また月・火・水・木・金。
これを何週間も繰り返します。
治療を受けたのは真夏でした。
お盆の週は治療がお休みだったと記憶していますが、それ以外は基本的に決められたスケジュールで通っていました。
1回の治療時間は本当に短くて、数分で終わります。
でも、病院まで行って、受付をして、着替えて、待って、治療して、また帰る。
治療時間より、それ以外にかかる時間の方がずっと長かったです。
体力的にというより、
「また明日も行かなあかんのか」
と思うことの方が、私には地味に大変でした。
② 最初に体にマーカーで印をつけた
放射線治療が始まる前に、体にマーカーで何か所か印をつけました。
放射線を毎回同じ位置に当てるための印で、
「お風呂でゴシゴシこすらないでくださいね」
と言われたのを覚えています。
治療した時期が真夏だったこともあり、私はシャワーで済ませることも多かったです。
なんとなく湯船に浸かるとマーカーが落ちてしまいそうな気がして、お風呂のときは印のところをこすらないよう、やさしく洗っていました。
③ 治療自体は痛くない。でも、最初はちょっと恥ずかしかった
「放射線治療って痛いのかな?」
始まる前は少し怖かったのですが、私の場合、治療自体に痛みはありませんでした。
機械の上に寝て、体勢や位置を合わせてもらい、そのままじっとしているだけ。
放射線が当たっている感覚も特になく、
「え、もう終わり?」
と毎回思うくらいでした。
ただ、治療そのものとは別に、最初はちょっと恥ずかしかったことがあります。
私の治療では、男性の診療放射線技師さんが二人で体の位置を合わせてくれていました。
もちろん、技師さんたちは毎日たくさんの患者さんの治療に携わっている専門職です。
そんなことは頭では分かっています。
でも私は左胸を全摘したあとで、大きな手術痕もありました。
治療のためとはいえ、その状態の胸を男性の技師さんたちの前で見せることには、やっぱり少し恥ずかしさがありました。
向こうは何とも思っていないんだろうな。
そう思いながらも、患者である私にとっては、ちょっと気になることでした。
治療の痛みや副作用とは違いますが、こういう気持ちも、実際に治療を受けてみて初めて分かったことのひとつです。
④ 治療の後半に感じた皮膚の変化
治療の最初の頃は、皮膚について特に気になった記憶はありません。
ただ、治療が後半になるにつれて、鏡を見て、
「ちょっと赤くなってきたな」
と思った記憶があります。
最後の頃には、皮膚に黒い点々のようなものも見えた気がして、当時の私は、
「毛穴まで焼けちゃったのかな?」
なんて思っていました。
もちろん、本当に毛穴が焼けたわけではないと思います(笑)。
放射線治療がすべて終わったあとには、皮膚が少し乾燥気味になり、軽いかゆみもあったように記憶しています。
私の場合は、特別な塗り薬を処方されるほどの症状ではありませんでした。
治療前にもらった説明書には、保湿は市販のものでもよいと書いてあったように覚えています。
8年以上前のことなので、皮膚の変化について細かな時期までは覚えていません。
ただ、現在は黒ずみや点々も残っておらず、皮膚はきれいに戻っています。
⑤ かなり後になって気づいた、皮膚の変化
これは放射線治療との関係があるのか分かりませんが、治療からかなり経ってから気づいたこともあります。
なんとなく、治療したあたりの皮膚にずっと潤いがないような感じがして、
「なんでここだけこんな感じなんだろう?」
と思っていました。
よく見てみると、そのあたりは汗をかいている様子があまりありませんでした。
以前は「毛穴が死んじゃったのかな?」なんて思ったこともありました。
でも、何年もしてから脇毛がまた生えてきたので、
「ちゃんと生きてたんだ」
と、ちょっと驚きました。
私の体って、思った以上に逞しいのかもしれません。
⑥ 一番大変だったのは、治療より仕事との両立
私が放射線治療で一番大変だったのは、痛みでも皮膚の変化でもありませんでした。
毎日の通院と、仕事との両立です。
1回の治療は数分です。
そのため私は、治療に必要な時間だけ仕事を抜けて病院へ行き、治療が終わったら職場へ戻りたいと思っていました。
ところが、当時の職場では、その働き方を認めてもらえませんでした。
そのため、放射線治療の日は毎回、午後から仕事を休んで通院することになりました。
月・火・水・木・金。
そして翌週も、月・火・水・木・金。
これが続きます。
治療そのものは数分なのに、そのために毎回午後の仕事を休む。
「治療だけ受けて戻れたらいいのにな」
と思ったことを覚えています。
もちろん、職場によって治療中の働き方や対応は違うと思います。
でも私の場合は、放射線治療そのものより、治療を続けながら仕事をすることの方が難しかったです。
病気になっても、生活は続きます。
治療だけを考えていればいいわけではありません。
仕事のこと、休みのこと、通院時間のこと。
治療を受ける側には、考えなければならないことがたくさんあります。
この経験から、病気の治療と仕事を両立するためには、本人の努力だけではなく、職場の理解や柔軟な働き方も大切なんだと感じました。
⑦ これから放射線治療を受ける人へ
放射線治療と聞くと、
「痛いのかな」
「怖いな」
「副作用は大丈夫かな」
と、治療そのものに目が向くと思います。
私もそうでした。
でも実際に25回の治療を受けてみると、私の場合は治療そのものより、毎日病院へ通うことや仕事との調整の方が大変でした。
これから放射線治療を受けながら仕事を続ける予定の方は、治療が始まる前に、
「どれくらいの期間、通院が続くのか」
「病院までの往復を含めて、どれくらい時間が必要なのか」
「仕事をどう調整できるのか」
ということも、早めに職場と相談しておくと安心だと思います。
また、治療では胸や手術痕を人に見せることもあります。
医療者にとっては日常のことであっても、患者側が恥ずかしいと感じるのはおかしなことではないと思います。
そして、治療中の体調や皮膚の変化には個人差があります。
気になる症状があれば、自分だけで判断せず、治療を受けている病院で相談してくださいね。
私の場合は25回。
月・火・水・木・金を何度も繰り返して、ようやく終わりました。
今振り返ると、
「私、毎日よく通ったな」
と思います。
治療そのものは数分でも、そのために費やす時間や、仕事を調整する大変さ、そして治療を受けるときのちょっとした恥ずかしさ。
そういうことも全部含めて、私の放射線治療でした。
これから治療を受ける人も、どうか無理をしすぎず、自分の体を一番に考えながら、一日ずつ進んでいってくださいね。


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