生きられるか分からなかった私が、老後を考えるようになった
51歳で、私はNISAを始めました。
でも、それまでの私は投資とはほとんど縁がありませんでした。
若い頃から貯金はしてきたけれど、
「お金は銀行に置いておくのが安心」
ずっと、そう思っていたからです。
そしてもうひとつ、私がなかなか将来のお金について考えられなかった理由があります。
44歳の時、私は乳がんになりました。
あの頃は、自分がどれくらい生きられるのか分からない。
そんな不安の中にいました。
若い頃からコツコツ貯めてきたお金もありましたが、それを投資に回そうなんて、とても考えられませんでした。
もし再発したら?
また治療が必要になったら?
働けなくなったら?
まずは治療をして、目の前の毎日を生きる。
それだけで精いっぱいだったように思います。
今振り返ると、44歳の私には「老後の自分」というものが、うまく想像できていなかったのかもしれません。
それから数年が経ちました。
通院は続いていましたが、私は普通に働いていました。
朝起きて、会社へ行って、お給料をもらって、毎日の生活をしている。
そして、いつの間にか私は、
「65歳くらいまで働けたら」
「その先の生活費はどうしよう」
そんなことを考えるようになっていました。
老後のお金を心配するなんて、44歳の頃の私にはなかったことです。
でも今思えば、
老後のお金を心配できるようになったこと自体が、私にとっては大きな変化だったのかもしれません。
氷河期世代の私が「そろそろ一歩進みたい」と思った
私は、いわゆる就職氷河期世代です。
振り返ると、ずっと土の中に埋もれているような感覚で生きてきたところがあります。
もちろん、それでも働いて、生活して、少しずつ貯金もしてきました。
でも50代になって、
「このままでいいのかな」
という気持ちが、少しずつ大きくなっていました。
そろそろ一皮むけたい。
何か新しいことを始めてみたい。
世の中に出遅れたままではなく、私も少し前へ進んでみたい。
そんなことを考えていた頃、世間では「NISA」という言葉をよく聞くようになりました。
最初は半信半疑でした。
テレビや世間が騒いでいるだけじゃないの?
みんながやっているからって、本当に大丈夫なの?
そんなふうにも思っていました。
本屋さんで出会った、ライオンさんの本
そんな時、本屋さんで一冊の本が目に入りました。
ランキング1位。
表紙には、可愛いライオンさん。
『お金の大学 改訂版』でした。
読書は嫌いではなかったので、何となく手に取ってみたのですが、読んでみると、それまで自分が持っていたお金の常識とは違うことがたくさん書かれていました。
著者の両学長がYouTubeでも発信していることを知り、朝の支度をしながら聞くようになりました。
最初から全部理解できたわけではありません。
むしろ、
「インデックス投資って何?」
というところからのスタートです。
それでも、何度も聞いているうちに、少しずつ分かることが増えていきました。
そして私の中で、それまで当たり前だった
「貯金しておけば安心」
という考え方が、少しずつ変わっていきました。
貯金だけでも、何もしないことにもリスクがあると知った
私はそれまで、銀行にお金を置いておけば減らないと思っていました。
でも物価が上がれば、同じ100万円でも買えるものは少なくなっていきます。
数字として100万円が残っていても、そのお金で買えるものが減っていく可能性がある。
そこで初めて、
「何もしないことにもリスクがあるんだ」
と考えるようになりました。
これは、私にとってかなり大きな衝撃でした。
もちろん、だからといってすぐに投資を始められたわけではありません。
怖かったです。
長い間「貯金が一番安心」と思って生きてきたのだから、知らない世界へお金を動かすのは簡単ではありませんでした。
「もう少し勉強してから」
「今じゃなくてもいいんじゃない?」
やらない理由なら、いくらでも思いつきました。
知らなかった頃には、もう戻れなかった
もしNISAもインデックス投資も知らないままだったら。
私は10年後も、お金の心配をしながら普通に暮らしていたのかもしれません。
でも、私は知ってしまいました。
銀行に預けておく以外にも、未来のお金について考える方法があることを。
もちろん、投資をすれば必ずお金が増えるわけではありません。
10年後、私の資産がどうなっているのかなんて、誰にも分かりません。
それでも、知ったうえで何もしなかったら、
「あの時、始めていたらどうなっていたんだろう」
そんな気持ちが、この先ずっと心のどこかに残るような気がしました。
それなら私は、やらなかったことを後悔するより、自分で納得したうえで一歩踏み出してみたい。
そう思うようになりました。
「もっと早く知っていたら」とも思った
NISAやインデックス投資について知った時、
「もっと早く知っていたらなあ」
と思わなかったと言えば嘘になります。
もっと若い頃から知っていたら。
もっと早く始めていたら。
そんなことを考えたこともあります。
でも、過ぎた時間は戻りません。
それに44歳で乳がんになった頃の私に、何十年も先を見据えて投資をする余裕があったかと聞かれたら、たぶんなかったと思います。
だから今は、
51歳の今が、私にとって始めるのに一番いいタイミングだったんだ。
そう思っています。
遅かったのではなく、
今の私だから、始められた。
そう考えることにしました。
NISAに人生を賭けたわけじゃない。未来の自分に賭けてみた
大げさに聞こえるかもしれませんが、私にとってNISAを始めることは、ちょっとした人生のチャレンジでした。
もちろん、投資に人生を賭けるという意味ではありません。
NISAを始めたからといって、お金持ちになれる保証もありません。
この先、相場が大きく下がることだってあると思います。
それでも。
44歳の頃には想像できなかった「老後」が、今の私には少し見えるようになりました。
まだ働ける。
これから先も、長く生きられるかもしれない。
だったら、その未来に向けて一歩踏み出してみたい。
私にとってお金は、ただ貯めて眺めるためのものではありません。
おいしいものを食べたり、行きたい場所へ出かけたり、新しいことに挑戦したり。
これからの毎日を楽しむための道具でもあります。
人生がまだ続いていくと信じていたい。
そして続いていくのなら、年齢を理由に立ち止まるのではなく、これからも何かに挑戦していたい。
私にとってNISAは、そのひとつでした。
NISAに人生を賭けたんじゃない。
これからも生きて、働いて、毎日を楽しんでいく。そんな未来の自分に賭けてみたんです。
おわりに
投資を始めたことが正解だったのかどうか。
その答えが分かるのは、きっとずっと先です。
でも私は、何もしないまま終わるより、自分で考えて一歩踏み出したかった。
病気を経験したけれど、私の人生はまだ続いています。
そして、これからも続いていくと信じて、できることには挑戦していきたいと思っています。
未来がどうなるかは分からない。
だからこそ私は、今できることをやっておきたい。
51歳で始めたNISAは、私にとってその一歩でした。
次の記事では、この防衛資金をどうやって決めたか、
具体的にお話ししようと思います。
「防衛資金を決めた話」 →「カニ歩き5日間の記録」 →「特定口座でした」





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