ハーセプチン治療の体験談|1年間の点滴と副作用・心臓のこと

乳がん

ハーセプチンの投与

抗がん剤治療を受けていた頃、私にはもうひとつ、ハーセプチンという治療がありました。

抗がん剤が終わったあともハーセプチンの治療は続き、3週間に1回くらいのペースで、全部で1年ほど通院していたと思います。

治療から年月が経っているため、正確な回数や、放射線治療とどの時期に重なっていたのかまでは、今でははっきり覚えていません。

ただ、抗がん剤に比べると体はかなり楽だったことと、長く続く治療だったことはよく覚えています。

今回は、そんなハーセプチン治療の記憶と、治療から何年も経った今、少し気になっている心臓のことを書いてみようと思います。

私がハーセプチンを受けたのは、乳がんが「HER2陽性」だったためです。

HER2陽性と分かったとき、「悪性度が高い」という言葉がとても気になりました。

では、実際にHER2陽性乳がんは再発しやすいのか?

以前、主治医に直接聞いたときのことを別の記事に書いています。


ハーセプチンは約1年間続く治療でした

ハーセプチンは点滴で受ける治療で、私の場合は3週間に1回くらい通院していました。

抗がん剤のような強い副作用はあまりなく、体調的にはかなり楽だった記憶があります。

抗がん剤が終わったことで、ひとつ大きな山を越えたような気持ちもありました。

ただ、治療はそこからも続きます。

「まだ続くんだなあ」

そんなことを思いながら、3週間ごとに病院へ通っていました。

体への負担は抗がん剤より軽くても、1年ほど続く治療です。

長く通い続けるという意味では、これもまた大変な治療のひとつだったと思います。


点滴はずっと右腕で

私は左側のリンパ節を取っているため、左腕での採血や注射は禁止されています。

病院からは「左手の採血は禁止です」と書かれたカードも渡されていて、今でもスマホケースに入れて持ち歩いています。

そのため、抗がん剤やハーセプチンの点滴も、ずっと右腕でした。

私が治療を受けていた病院では、治療に使う点滴のルート確保は主治医が行うことになっていました。

先生が、

「看護師さんのほうが上手いかもしれないのにね」

というようなことを話していたのも覚えています。

治療も10何回目になった頃だったと思います。

一度、針がうまく入らず、場所を変えて刺し直したことがありました。

私はもともと血管が見つけやすいほうらしく、採血などで針を刺し直されることはほとんどありませんでした。
それだけに、このとき針がうまく入らなかったことで、「何度も点滴をして、血管にも負担がかかっているのかな」と少し不安になりました。

「もし右腕の血管が硬くなって、もう針が入らなくなったらどうするんだろう?」

左腕は使えません。

気になって先生に聞いてみると、

「そのときは脚からやります」

とのこと。

「へええ、脚からできるんだ」

と、ちょっと驚いたのを覚えています。

結局、その後も右腕で治療を続けることができました。

そして治療から何年も経った今でも、右腕には注射針の跡が、てんてんてんと残っています。

それを見ると、

「ああ、先生も毎回、数ミリずつ場所をずらしながら刺してくれていたんだな」

と思います。

治療中は、ただ次の点滴を受けることで精一杯でした。

でも今になって右腕に残った小さな跡を見ると、ひとつひとつが、長かった治療の軌跡のようにも見えます。


ハーセプチンと心臓のこと

ハーセプチンは、心臓の働きに影響が出ることがあると説明を受けた記憶があります。

そのため、治療中には心臓の検査も受けていました。

治療が終わって何年も経った今、少し気になっていることがあります。

健康診断では、心電図でずっとA判定が取れていません。

普段の生活の中でも、ときどき動悸がしたり、息苦しさを感じたりすることがあります。

これがハーセプチンの影響なのか、それとも年齢など別の原因によるものなのか、私には分かりません。

「ハーセプチンを受けたからこうなった」

と、自分で決めつけることはできません。

ただ、治療中に心臓の検査を受けていたこともあり、やはり少し気になっていました。

そこで数ヶ月前の診察のときに、主治医にも聞いてみました。

心電図の結果を見てもらいましたが、

「この程度なら心配ないですよ」

というようなお話でした。

先生にそう言ってもらえたので、ひとまず安心しています。

治療から何年も経ちましたが、これからも健康診断の結果や自分の体の変化を見ながら、気になることがあれば先生に聞いていこうと思っています。


長い治療が終わって思うこと

手術、抗がん剤、放射線、ハーセプチン。

いくつもの治療が長く続きました。

ひとつ終わったら、また次の治療。

当時は目の前にある治療をこなしていくことで、精一杯だったように思います。

ハーセプチンが終わったとき、ようやく長かった治療の大きな区切りを迎えたような気がしました。

今振り返ると、

「本当によく通ったなあ」

と思います。

治療が終わったら、すべて終わり。

あの頃はそんなふうに思っていたけれど、何年も経ってから気になることが出てきたり、当時の治療について改めて考えたりすることもあります。

右腕に今も残っている、小さな注射針の跡もそのひとつです。

普段はほとんど気にすることもありません。

でも、ふと目に入ったとき、

「こんなに何度も点滴を受けたんだな」

と思います。

正確な回数や細かな時系列は、もう思い出せないところもあります。

それでも、あのとき感じたことや、今も体に残っているものを見ると、確かに私はあの長い治療を通ってきたんだなと思います。

右腕に残った小さな跡は、私にとって長かった治療の軌跡なのかもしれません。

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