ウイッグ脱いでいいよ その一言が嬉しかった

抗がん剤3クール目。体が限界と言っていたのかな。

2クール目に入った頃からなんとなく感じていた。

抗がん剤を入れると、一週間くらい辛い。

ただの疲れとかじゃない。眠れば回復するというものでもなく。

目の前が暗くなりかける妙な感覚がずっと続く。体の芯が抜けていくような説明できないだるさ。呼吸もしんどい。深く吸わないと意識が飛びそう。

しかも回を重ねるごとに酷くなってる。

それでも仕事は通院の日以外は休まなかった。今思えばよく頑張ったなって思う。

きっとずっと気持ちが張り詰めたままで、休むという選択肢が頭になかった。

確実に体は悲鳴を上げていたのだろうなと思うのが、梅雨の時期だったからか、ウイッグの中が蒸れたのか、頭皮が痒いと感じることが増えた。

そして3クール目の数日後のある日の夜。とうとう我慢も限界。

夜間だったけれど、病院に電話をかけたら来院するように言われたので行ってみた。

処方されたお薬は確かリンデロンと言うステロイドの塗り薬と、アレグラと同じ成分だと説明された飲み薬。ああ、これも副作用の一つなんだと思った。

その時に心に残っていること。

看護師さんが言ってくれた。

『誰もいないから、ウィッグ脱いでも大丈夫よ。痒みが強いでしょう?』

何気ないほわっとする言葉をかけていただいて、張り詰めている気持ちがふっと軽くなる。

『ありがとうございます』

ウイッグを脱いだ時に、窓ガラスに映った自分の頭はカッコ悪かったけれど。

これを乗り越えたら、抗がん剤ももうあと一回で終わる。

ゴールではないけれど、もう少しで乗り越えれると考えたらやる気が出てきた。

辛い辛い治療も、一人じゃないから。

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